新宿西口地下道の段ボールハウスに絵を描き、ストリートからアーティスト活動を始める。新宿西口地下道段ボール村、旧東京大学駒場寮、阪神淡路大震災非公認避難所、渋谷区宮下公園等のスクウォット(不法占拠)状態の場所でアーティスト活動を行う。そこでは、人が暮らす場所、社会の境界に置かれた場所、その場にある現実そのものと関わりながら制作してきた。
やがて、タバコの吸い殻ドローイングを転換点に、ドローイング(線画)を描き始める。大きな壁や建物に描く表現から、手の中に収まる小さな吸い殻へ。その極小の画面に線を刻む行為が、現在の線画表現へとつながり、音楽の線画『線譜』シリーズ、物語絵『ネズミに恋したネコ...
新宿西口地下道の段ボールハウスに絵を描き、ストリートからアーティスト活動を始める。新宿西口地下道段ボール村、旧東京大学駒場寮、阪神淡路大震災非公認避難所、渋谷区宮下公園等のスクウォット(不法占拠)状態の場所でアーティスト活動を行う。そこでは、人が暮らす場所、社会の境界に置かれた場所、その場にある現実そのものと関わりながら制作してきた。
やがて、タバコの吸い殻ドローイングを転換点に、ドローイング(線画)を描き始める。大きな壁や建物に描く表現から、手の中に収まる小さな吸い殻へ。その極小の画面に線を刻む行為が、現在の線画表現へとつながり、音楽の線画『線譜』シリーズ、物語絵『ネズミに恋したネコのタムちゃん』シリーズの制作に至る。
「線譜」と名付けた線画は、音楽が消えないように封じ込めた標本箱。向こう側との狭間に刻まれる曖昧な抽象画でもあります。その線を目で追う時間は、眠っていた記憶や感情の響きに耳を澄ます、目で聴く音楽鑑賞です。
物語絵『ネズミに恋したネコのタムちゃん』では、理不尽な世界の中で、それでも懸命に生きる小さな存在たちを描く。届かなかった想いや、拾われなかった感情に、絵の中で居場所をつくるためのシリーズです。
絵は部屋の中に置かれた「向こう側への窓」。静止した絵を見入るにはこちらの心が動く必要があります。絵が、日常の中で向こう側を少しだけ覗かせ、心を整え、想像力を取り戻し、癒しや元気や神秘のエネルギーが流れ込む場となることを願っています。
〈 主な受賞歴 〉
東京ジャーナルベストアーティスト賞(1996年度)
SKIPシティクリエイティブヒューマン大賞2002 一般インタラクティブ部門 優秀賞
「詩とファンタジー賞」2017 イラストレーション部門 優秀賞
〈 主な装幀・誌面掲載 〉
星野智幸コレクション(人文書院)
鵺の鳴く夜を正しく恐れるために/稲葉剛(エディマン)
現代のバベルの塔(新教出版社)
「ユリイカ」2004年5月号「特集:鬱」詩人・高貝弘也とのコラボレーション(青土社)
「小説すばる」2018年10月号 扉絵/樋口恭介『輪ゴム飛ばし師』(集英社)
「SFマガジン」2019年4月号 扉絵/樋口恭介『一〇〇〇億の物語』(早川書房)